賃貸のアパートやマンションでネズミが出た。駆除費用は自分持ちなのか、大家さんや管理会社が出してくれるのか——ここは原因がどこにあるかで変わります。
結論から言うと、建物の構造に原因があるなら貸主(大家・管理会社)の負担、借主の暮らし方に原因があるなら借主の負担というのが基本の考え方です。この記事では、その線引きと、実際に何をどの順番でやればいいかを整理します。
※ 最終的な判断は契約書の内容と個別の事情によります。金額が大きくなりそうなときは、自治体の無料法律相談や消費生活センターに相談してください。
貸主(大家・管理会社)の負担になりやすいケース
民法では、貸主は借りている人が普通に住める状態に建物を保つ義務を負っています。ネズミが入ってくる原因が建物側にあるなら、そこは貸主の責任範囲です。
- 外壁や基礎にひび割れ・穴がある
- 換気口の網が破れている、通気口のフタが外れている
- 配管が壁を貫通している部分のすき間が埋まっていない
- 屋根や軒の破損
- 共用部(ゴミ置き場、地下、機械室、天井裏)が発生源
- 建物全体・他の部屋でも同じ被害が出ている
- 入居した時点ですでに住みついていた
とくに共用部が発生源のときは、自分の部屋だけ対策しても意味がありません。建物全体で手を打つ必要があるので、管理会社を動かすのが唯一の解決策です。
借主(自分)の負担になりやすいケース
- 生ゴミを室内に長期間ためていた
- 食べ物を出しっぱなしにしていた、ペットフードを放置していた
- ベランダや室内にものを溜め込んで、巣になる環境を作っていた
- 自分で窓や通気口を開けっぱなしにしていた
- 自分が持ち込んだ段ボールや荷物に紛れて入ってきた
この場合は自分で費用を持つことになります。
やる順番(ここが大事です)
1. 先に自分で業者を呼ばない
いちばんよくある失敗がこれです。自分で頼んで払ってしまうと、あとから請求するのが一気に難しくなります。まず管理会社に連絡してください。
2. 証拠を残す
連絡する前に、5分でいいので記録を取ってください。あとで「言った・言わない」にならないためです。
- 被害の写真(フン、齧られた跡、ラットサイン=壁際の黒い擦れ跡)
- 日付が分かる形で(スマホの写真なら撮影日が残ります)
- 音がする時間帯、見かけた場所のメモ
- 侵入口と思われる場所の写真。外壁のひび、換気口の破れなど、建物側の問題が写っているものは特に重要です
3. 管理会社に連絡する。できれば書面かメールで
電話だけで済ませず、メールなど記録に残る形で伝えてください。伝える内容は、
- いつから、どんな被害が出ているか
- 建物側に原因があると思われる箇所(写真を添付)
- 他の部屋でも出ていないか確認してほしいこと
- いつまでに対応してもらえるか
4. 対応してもらえないとき
- まず書面で再度求める(記録が残ります)
- 自治体の無料法律相談、消費生活センターに相談する
- 賃貸トラブルの相談窓口(各都道府県の宅地建物取引業協会など)を使う
⚠ 家賃の支払いを勝手に止めるのはやめてください。こちらが契約違反になり、立場が悪くなります。
自分でやっておいていいこと
費用の話と並行して、被害を止める手は打てます。どちらの負担になっても無駄になりません。
- 生ゴミ・食品を密閉容器へ。シンクの排水口のゴミ受けを毎晩空に
- 室内の段ボールを減らす(巣材になります)
- 粘着シートを壁沿いに敷く(部屋の真ん中に置いても効きません)
- 室内側で自分でふさげるすき間はパテと金属たわしで埋める
やり方は ネズミの侵入口になりやすい場所8か所 にまとめています。ただし賃貸では、建物に穴を開ける・外壁をいじるといった工事は勝手にできません。室内でできる範囲にとどめてください。
分譲マンションの場合
賃貸とは切り分けが違います。専有部(自分の部屋の中)は自分、共用部(外壁・配管スペース・ゴミ置き場・天井裏)は管理組合が原則です。共用部が発生源なら管理組合に相談して、建物全体で対応してもらうことになります。
まとめ
- 建物の構造が原因なら貸主、暮らし方が原因なら借主が基本の線引き
- 先に自分で業者を呼ばない。払ってしまうと請求が難しくなります
- 連絡の前に写真で証拠を残す。とくに建物側の問題が写っているもの
- 管理会社への連絡はメールなど記録に残る形で
- 動いてもらえないときは自治体の無料法律相談・消費生活センターへ
- 家賃は止めない
- 共用部が発生源なら、自分の部屋だけ対策しても終わりません

